糸で布類を縫い合わせる機械
人間生活の基本である衣食住の【衣】の部分を支える機械
人間が身に付けなければならない衣服類は、19世紀の初めまでは一針一針手作業で縫いつけていましたが、ミシンの発明で衣服類の生産は飛躍的に成長しました。ある意味、ミシンの普及なくしては、近代の産業革命も中途半端なものになっていたかもしれません。
例えば、その当時キチッとした服を身につけられたのは、ほんの一部のブルジョア階級のみに限られていました。貧困とまでいかない普通の市民でも、今の時代のように自分の好みの洋服を手軽に手に入れるのは困難でした。しかし、ミシンによる縫製が発達することにより、すべての人がそれなりの快適な洋服を身につけられるようになったのです。
日本でも戦後の物不足の中で、ミシンは飛ぶように売れ、その後目覚しい経済復興に伴う衣生活の向上により既製服市場が拡大しました。 現在では、大量生産のための『工業用ミシン』と、個人で使用される『家庭用ミシン』とに分かれています。
家庭用ミシンは、昔「義務としての家庭生活の必需品」でしたが、既製服の普及に伴う社会的衣環境の変化により、「家庭生活を楽しむための必要品」に変化しています。そして、手軽な手芸・洋裁になくてはならない道具として、その価値が『趣味』の分野に移行しつつあります。
